報道にみる野鳥おじさんの活動 (2006 〜)

  • 『野鳥が傷ついています ゴルフのボール危険』  毎日新聞 '06. 2. 3

    武庫川下流の河川敷では今年も、足が折れたり羽が傷ついて飛べない野鳥が目立っている。鳥が憩う水辺にはゴルフボールがあちこちに落ち、本来は禁止されているゴルフの打ちっぱなしをする人たちの姿もある。松阪さんは「鳥に球が当たっているのではないか」と心配している。河川敷は、県から委託を受けた西宮、尼崎両市がそれぞれ管理。その中でのゴルフは他の利用者にけがを負わせる危険行為として禁止し、看板を立てて呼びかけている。しかし、曜日や時間を問わず、川床に降りて練習する人がいる。尼崎市公園課は「職員が見回りをして注意しているが・・・」と、対応に苦慮している。また松阪さんによると、足にタコ糸がからまり、歩きにくくなっている野鳥も見つかるという。「凧揚げを楽しむ際にも、配慮して」と話している。

  • 『ユリカモメ 1000羽が飛来』  朝日新聞 '06. 2. 10

    西宮と尼崎の市境の武庫川河川敷に、約1千羽のユリカモメの大群が飛来している。松阪さんが7日、阪神武庫川駅北の西宮市側河川敷で羽を休める様子を撮影した。松阪さんによると、ユリカモメの群れは今月はじめごろから集まりだした。川の魚をねらっているらしい。夕方や夜間に魚を取り、昼間は寒風にさらされながら休んでいるようだという。

  • 『足に21年前の輪 長寿ユリカモメ』  朝日新聞 '06. 2. 27

    松阪さんが24日、西宮市武庫川町の武庫川沿岸で、研究者が21年前につけた足輪をした「長寿」のユリカモメを見つけ撮影した。松阪さんによると、ユリカモメの足輪の色や番号から、84年12月に龍谷大の研究者が調査のため京都・鴨川でつけたものとわかった。ユリカモメの寿命は7〜8年ともいわれ、20年以上生きるのは珍しいという。松阪さんは「わりに元気そうで、よく来てくれたなと声をかけました」。

  • 『ユリカモメ北へ帰るサイン』  朝日新聞 '06. 3. 18

    武庫川河川敷で、黒いずきんを頭にかぶったような夏羽のユリカモメが群れに交じっているのを、松阪さんが16日に撮影した。松阪さんによると、ユリカモメは夏羽に変わると、顔やくちばし、脚が黒褐色になる。サクラの花が咲き、群れの中で夏羽の個体が増えるころ、北の空へ飛び立つという。松阪さんは「街にイカナゴを煮るにおいが漂うと、そろそろユリカモメが北へ帰る季節。寂しくなります」と話している。

  • 『涼しげに泳ぐカルガモ親子』  朝日新聞 '06. 6. 8

    西宮市を流れる夙川の河口近くで7日午後、生まれて間もないカルガモのヒ ナ4羽と親鳥が涼しげに泳いでいるのを、松阪さんが撮影した(写真)。松 阪さんは「数日もすれば、ほかに数組の親子が出てくるでしょう」と話して いる。

  • 『かわいい姿にひと安心』  毎日新聞 '06. 7. 26

    西宮市の武庫川と仁川の合流地点で、母鳥が6羽の赤ちゃんカルガモを引き連れ、愛らしく泳いでいる姿を西宮市里中町の松阪龍起さんが見つけ、写真に収めた。松阪さんは長年武庫川流域を観察している。例年、複数の”親子連れ”が泳いでいるが今年は姿がなく、近隣住民らが心配していたという。松阪さんは「ようやくかわいい姿を見ることがで、安心しています。静かに見守ってあげたい」。

  • 『水鳥受難 「ルール守って」と近隣住民』  毎日新聞 '06. 8. 5

    西宮市樋之池町の樋之池では昨年、池の水を抜き、異臭や生態環境の悪化の原因となっていたヘドロを取り除く大規模な工事が行われた。その甲斐あって、現在の池には多く生き物が暮らす。釣りは原則禁止だが、同市公園緑地課は「子どもが自然に触れるのは大切なことなので、保護者と一緒で囲いのロープの外からなら、大目に見たい」と話す。しかし、釣り客の態度に、近隣住民らは怒りを隠せない。夕刻、ゴミが散乱するようになったのだ。7月下旬、白い糸と木の棒を組み合わせた釣り道具が足に絡まった痛々しい姿の水鳥が見つかった。近隣住民が松阪に協力を求め、池にボートを出して捕獲を試みるなど手を尽くしているが、警戒心の強い水鳥はすぐに逃げてしまう。現在も救出活動を継続中で、日々弱っていく姿に不安が募っている。また、子どもたちの安全にも心配の声が上がる。池の水深は1メートル近い。しかし、囲いのロープを乗り越え、池のふちで釣りをする親子連れの姿が多い。元小学校教諭でもある松阪さんは「大人が手本となり、子供のうちに命の大切さを教えてもらいたい。私の教え子たちは、大人になった今も自分自身、生き物も大切にしてくれていますよ」と話している。

  • 『「マナーを守って」呼びかけ』  毎日新聞 '06. 9. 20

    秋の釣りシーズンが到来した。台風一過の18日、西宮市の武庫川河口近くでは、ハゼを目当てに100人以上が釣りを楽しんだ。一方、捨てた釣り糸が野鳥などの足に絡み付き、けがをしたり足を切断したりする被害もなかなかなくならない。松阪さんは「釣り人はマナーを守ってほしい」と訴えている。松阪さんはこの日、武庫川で釣り人たちに「不要になった釣り糸を捨てないで」と呼びかけた。近くの鳴尾浜公園では、被害に遭ったハトを見つけた。来園していた親子連れに協力してもらい、はさみで釣り糸を切って取り除いた。親子連れは「捨てた釣り糸でこんなひどいことになるなんて……」と驚いた様子だったという。

  • 『北の国からようこそ ユリカモメ』  朝日新聞 '06. 9. 27

    西宮市の甲子園浜沖に飛来したユリカモメを松阪さんが撮影した。県立人と自然の博物館によると、カモメ科の渡り鳥でシベリアなどで繁殖し、越冬のため日本に飛来する。秋から冬にかけて日本各地で見られる鳥だ。松阪さんによると、西宮市沿岸には例年10月ごろに飛来する。この日は午前中に50羽ほどの群れを見つけてシャッターを切った。沿岸部や武庫川周辺で魚を食べよう都市、釣り人が捨てた釣り糸に絡まってしまうことがあるという。松阪さんは「鳥たちが無事に北の国に帰れるよう、釣り糸や釣り針は自宅に持ち帰って」と呼びかけている。

  • 『長寿“カモ” 84年・京都鴨川で捕獲し足輪』  毎日新聞 '06. 11. 2

    宮市西波止町の夙川河川敷で、23年以上生きているとみられるユリカモメを、松阪さんが10月30日に見つけ、撮影した。ユリカモメの平均寿命は6〜7年で、異例の“長寿カモメ”らしい。左脚のリングの標識と色から、龍谷大非常勤講師の須川恒さん(59)らの研究グループが84年12月6日、京都市の鴨川で捕獲し、リングを取り付けた後、放鳥したことが確認された。当時、既に成鳥だったので、少なくとも23歳になるという。阪神間の河川敷では数年前から、須川さんらが足輪を付けた20歳以上と見られる高齢のユリカモメが顔を見せている。須川さんは「河川の水質浄化が進み、地域の自然環境が良くなっているのでは」と話している。

  • 『ハトに平和託し』  朝日新聞 '07. 5. 4

    捨てられた釣り糸でハトが傷ついている被害を伝えた小尻記者の記事をきっかけに発足した「釣り糸から野鳥を守る会」の会員4人が3日、テロのない平和な社会を願って、阪神支局のバルコニーからハト4羽を青空に放った。ハトは会員で西宮市に住む元小学教諭の松阪さんが同市や尼崎市で、ビニールひもなどが足に絡まった状態で保護した。同会代表の吉川恵子さんは「初めて取材を受けた記者が小尻さんだった。事件を風化させたくない」と話した。

  • 『阪神支局襲撃から21年 暴力ない社会誓う』  朝日新聞 '08. 5. 4

    小尻記者の遺品などを公開した支局3階の事件資料室には、高校野球を取材する小尻記者の写真も展示された。---中略---小尻記者の記事をきっかけに発足した市民団体「釣り糸から野鳥を守る会」のメンバー5人も支局を訪れた。同会は武庫川でゴミ拾いしながら、捨てられた釣り糸などで傷ついたハトなどを保護してきた。事件前年の86年に発足。事件後は毎年5月3日に保護したハトを阪神支局のバルコニーから空に放ってきたが、今年は初めてけがをしたハトが見つからなかった。同会の吉川恵子代表(50)は「小尻さんの記事がなければ会は出来なかった。21年たってやっと傷ついたハトがいなくなったよ、と報告が出来ました」と話した。



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