ジベルばら色粃糠疹

ジベルばら色粃糠疹



聞き慣れない難しい病名なので、医師からこの病名を聞かされた時「難しい不治の病か」などと心配になるが、実際は大したことはない。「じべるばらいろひこうしん」と読み、“ジベル(Gibert)”というのは最初に報告した医師の名前で、“ばら色粃糠疹”というのは「細かいフケが付着したバラ色の斑点」という意味である。名前はややこしいが、頻度の高い皮膚病である。

【症状】

数ミリほどの赤い斑点が腹部や背部を中心に多数発生する。個々の斑点は楕円状で、体をリング状に取り巻くような方向に整列することが多い。これに数日〜2週間ほど先だって、直径2,3cmほどの円形〜楕円形の斑点が一つだけ体のどこかに出ている場合が多い(初発疹)。見かけは痒そうだが、痒みは非常に軽く、ほとんど痒くない場合もある。治癒するまで一ヶ月ほど必要で、場合によっては2ヶ月ほどかかることもある。しかし一度かかると再発することは非常に希である。

【治療】

基本的には特に治療しなくとも自然治癒するが、副腎皮質ホルモン外用剤や抗ヒスタミン剤による治療によって症状を軽減し、治癒までの期間も短縮できるようである。

【解説】

頻度の高い皮膚病にもかかわらず、ほとんど病名が世に知られていない。病名自体が覚え難いということもあるが、痒みがあまりないので放置されたり、たとえ病院で診てもらっても専門医でないと「かぶれ」「じんましん」「ストレス」などと診断されて治療しているうちに自然治癒するケースが多いのかもしれない。また、症状も薬疹など他の皮膚病に酷似する場合もあり、我々専門医でも判断に迷うケースもある。

現在では、原因はウイルス感染といわれているが、まだウイルスが特定されていないので確証はない。しかし皮膚症状が段階的に進行したり、再発がほとんど無いなど、ウイルス感染症の特徴を持っている。

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